普段から水まわりをキレイにしている方でもついつい忘れてしまいがちな蛇口のお掃除。
ふと蛇口のまわりを見ると白い汚れがびっしりなんてこともありますよね。汚れたままで放っておくと、蛇口にカビが生えてしまうなんてことも。
キレイな水を利用するためにも、定期的な蛇口のお掃除は欠かせません。
そこで本記事では、蛇口についた汚れの種類からお掃除の方法・注意点をご紹介します。
CONTENTS
1 蛇口についた汚れの種類と原因
蛇口をお掃除する前にまず、知っておきたいのが汚れの種類とその原因です。汚れの種類ごとに適切な方法を選択することで、より効果的にお掃除できます。
基本的な蛇口の汚れは、以下の3種類。
- 水アカ
- カビ
- 油汚れ
では、詳しくみていきましょう。
1-1 水アカ
蛇口をはじめとした水まわり汚れの中で、最も多くみられるのが水アカ汚れではないでしょうか。
そんな水アカ汚れの正体は、水道水に含まれる成分「炭酸カルシウム」や石けんカスが固まったものなのです。
炭酸カルシウムとは、セメントの主原料としても使用されている成分。
もともとは浄水場で水の消毒に使用されている「次亜塩素酸」という成分が、水に含まれるカルシウムや二酸化炭素などと反応を起こし、炭酸カルシウムに変化することが水道水に含まれてしまう理由なのです。
つまり、水道水が蒸発して残った炭酸カルシウムが、石けんや洗剤と一緒に固まってしまうことで水アカ汚れの原因となってしまうのです。
1-2 カビ
蛇口汚れの中でも、特にやっかいな汚れとして知られるのがカビが原因の汚れ。蛇口のカビは、水場の高い湿度と室内の気温が原因で発生しまうことがあります。
カビが生えやすい環境は、80%ほどの高い湿度と私たち人にとって快適な20〜30度の温度といわれています。水を使用するキッチンやお風呂場は、蒸発した水分や結露などでどうしても湿度が高くなってしまいますよね。
つまり、お家の中の水回りは、普段から温度・湿度の管理に気を使わないとカビが発生しやすい環境になってしまうのです。
そんなカビ汚れの中でも蛇口で発生しやすいのは、赤カビと黒カビの二種類。まず水場の赤カビの原因は、空気中に存在する「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌です。
ロドトルラは毒性がなく、比較的カンタンに落とせるものの繁殖能力が高いのが特徴。そのままにしておくと、黒カビの原因になってしまうので注意しましょう。
一方黒カビは、赤カビほどの繁殖能力はないものの毒性があり、落としにくいのが特徴です。放っておくと感染症やアレルギー症状、喘息の原因となり、身体に危険が及ぶことも。
どちらのカビも悪化してしまう前に、早めにお掃除をするのが大切です。
1-3 油汚れ
キッチンの蛇口に多くみられるのが油汚れです。そんな油汚れの原因は、皮脂汚れや食用油が飛び跳ねてそのままになった跡。
油がついたまま放っておくと、頑固な汚れになったりカビが生える原因になってしまいます。
料理中に飛び跳ねた油をそのままにして落としにくくなってしまった、なんて経験のある方も多いのではないでしょうか。
油を使用した料理の後や蛇口に手アカがついてしまった場合には、すぐにふきとり掃除をするように心がけましょう。
2 蛇口のお掃除前に知っておきたい注意点
蛇口をキレイにする前に知っておきたい注意点がいくつかあります。まず基本的な注意事項として「お掃除の際は炊事用手袋を着用する」こと。
素手でお掃除をすると、使用するお掃除アイテムによっては肌が荒れたり、手に傷がついてしまうことがあります。炊事用手袋を忘れずに着用してからお掃除するのがおすすめです。
次に注意したいことは、「蛇口のお掃除にたわしやスポンジの硬い面を使用しないようにする」こと。
蛇口を傷つけてしまうと、汚れが溜まりやすくなったりカビが繁殖してしまう原因となってしまうことも…。ついついやってしまいがちな蛇口を強くこすったりする洗い方は避け、やさしく丁寧なお掃除を心がけましょう。
また蛇口のお掃除には、できるだけ洗剤を使用しないのが安全。
料理に使用するキッチンや顔を洗う洗面台など、直接肌に触れる水を扱う可能性が高い蛇口は特に注意が必要です。
以上の注意点を踏まえ、さっそく蛇口の詳しいお掃除方法をみていきましょう。
3 蛇口のお掃除方法
3-1 カビ汚れがついている場合には
蛇口にカビ汚れがついている場合にはまず、水アカや油汚れよりも先にカビを落とすのが最優先。
洗剤を使用せずにカビ汚れを落とす方法は、天然由来のお掃除素材「クエン酸」と「重曹」を混ぜた中和反応を利用します。
酸性のクエン酸とアルカリ性の重曹は、混ぜ合わせると中和反応を起こし炭酸ガスが発生します。この炭酸ガスがカビ汚れを浮かすのには効果的なのです。
- まず、お掃除に使用する歯ブラシ、ぞうきん、クエン酸水が入ったスプレーボトル、重曹を用意しましょう。粉末タイプのクエン酸を使用する場合は、水100mlに対して小さじ1/2杯の粉末を溶かしてクエン酸水をつくってください。
- カビで汚れている場所にクエン酸を吹きかけましょう。この時、吹きかけた場所からクエン酸水が少し滴るくらい多めに吹きかけるのがポイントです。
- 歯ブラシに重曹をつけ、クエン酸をスプレーした場所をこすりましょう。歯ブラシでこする際は、力を入れずに小刻みに動かしてください。
- カビが十分に落とせたら、クエン酸や重曹が残らないように水で洗い流します。
- ぞうきんで蛇口全体の水分をふきとったら完了です。
この「クエン酸」と「重曹」を混ぜる方法は、中和反応によってクエン酸と重曹のそれぞれの洗浄・消臭効果はなくなってしまいます。
そのため水アカや油汚れを落とすにはカビとりとは別に、以下で紹介するお掃除方法が必要なのです。カビ汚れが落とせたら、次は水アカや油汚れをキレイにしていきましょう。
3-2 水アカにはクエン酸!
蛇口の水アカを落とすには、クエン酸が効果的です。
まず押さえておきたいのが、水アカ汚れの原因である炭酸カルシウムや石けんカスはアルカリ性の汚れということ。そんなアルカリ性の水アカは、天然素材のクエン酸を使用して落としましょう。
クエン酸は、梅干しや柑橘類に含まれているナチュラルな素材のため安全性が高く、蛇口のお掃除にはピッタリなのです。
- まず、キッチンペーパー、食品用ラップ、ぞうきん、クエン酸水が入ったスプレーボトルを用意しましょう。粉末タイプのクエン酸を使用する場合は、水100mlに対して小さじ1/2杯の粉末を溶かしてクエン酸水をつくってください。
- クエン酸水を吹きかけたキッチンペーパーを、蛇口全体に貼りつけていきましょう。貼りつけた後のキッチンペーパーにもう一度クエン酸水を吹きかけると効果的です。
- キッチンペーパーの上からラップを巻いてパックしましょう。この時、キッチンペーパーのズレや乾燥を防ぐため、全体的にパックするのがポイントです。
- クエン酸パックができたら、1時間を目安に放置しましょう。
- 十分に時間が経ったらパックをはがし、貼りつけていたキッチンペーパーでこすって仕上げましょう。
- 水でクエン酸を洗い流し、全体の水分をぞうきんで拭きとったら完了です。
3-3 油汚れには重曹が最適?
キッチン蛇口の油汚れを落とすには、うがいや歯磨きなどにも使用できる安全なお掃除アイテム重曹がおすすめです。
重曹は水に溶かすとアルカリ性になる性質を持っています。水に溶かしたアルカリ性の重曹水は、手アカや食用油などの酸性汚れを落とすにはうってつけのお掃除アイテムなのです。
- まず、ぞうきん、重曹、スプレーボトルを用意しましょう。
- 40〜50度くらいのお湯100mlに対して小さじ一杯の重曹を入れて重曹水をつくりましょう。
- スプレーボトルに重曹水を入れて、油汚れが気になる場所に吹きかけましょう。
- ぞうきんで重曹水をかけた場所の油汚れを拭きとります。油汚れが落としきれない場合は、もう一度重曹水をかけて拭きとりましょう。
- 汚れが十分に落とせたら水で洗い流し、ぞうきんで水分を拭きとったら完了です。
重曹を使用しても落とせない油汚れの場合には、重曹水の代わりに食器用洗剤を試してみましょう。使用後は洗剤が残らないよう、入念に水で洗い流してください。
3-4 歯磨き粉で蛇口がピカピカになる?
クエン酸をでも落とせないこびりついた水アカには、歯磨き粉を使用する方法がおすすめです。
一般的な歯磨き粉には、研磨剤と呼ばれる成分が使用されています。この研磨剤は、ステンレスのお掃除でお馴染み「クレンザー」にも入っている成分で水アカを落とすのに効果的です。
また歯磨き粉の研磨剤はクレンザーの研磨剤と比べると粒子が細かく、ステンレスに傷をつけにくいのがポイント。実は歯磨き粉は蛇口のお掃除に適したアイテムなのです。
- まず、歯ブラシ、歯磨き粉、ぞうきんを用意しましょう。一部の歯磨き粉には、研磨剤不使用のものも存在するため、成分表示に研磨剤もしくは清掃剤と表記されているものを選んでください。
- 歯ブラシに歯磨き粉を適量つけます。普段歯磨きをする時と同じくらいの量がおすすめです。
- 歯磨き粉をつけた歯ブラシで、水アカの気になる場所をこすっていきましょう。傷がつきにくいとはいえ、強くこすると傷になる可能性があるので、やさしく丁寧にブラッシングしてください。
- 水アカが十分に落とせたら、水で歯磨き粉を洗い流し、全体の水分をぞうきんで拭きとったらお掃除完了です。
まとめ
今回は、蛇口のお掃除についてご紹介しました。
蛇口の汚れは、大きく分けて、水アカ、カビ、油汚れの3種類です。
蛇口のお掃除をする際には、やさしく丁寧な掃除を心がけ汚れの種類や度合いに応じて適切な方法を選択しましょう。
また蛇口のお掃除には、できるだけ洗剤は使用しないようにしてください。
天然由来のクエン酸や重曹を使用したお掃除がおすすめ。料理に使用するキッチンや顔を洗う洗面台などの直接肌に触れる水を扱う蛇口掃除をする時は、特に注意が必要です。
蛇口の汚れは放っておくと身体に影響を及ぼす危険性があるため、定期的なお掃除を心がけキレイな蛇口をキープするようにしましょう。